SNS運用・SNS集客
建築会社向けGeminiの活用法(画像・動画生成編)
公開日:2025/12/24
最終更新日:2025/12/24
こんにちは。工務店、リフォーム会社に特化したホームページ制作・ホームページ集客支援のゴッタライドです。
この記事では、建築会社がAIツール「Gemini」を使って、これまで外注や専門ツールが必要だった画像・動画制作を、社内で完結させる方法を解説します。外壁塗装会社や工務店での具体的な活用事例を交えながら、集客やSNS、見学会用素材としての実践的な使い方と注意点まで分かります。
Geminiは画像や動画生成で使えるツール
「この作業、本当は社内でやりたいけど外注するほどでもないんだよな…」
建築会社の現場では、そんな課題があるのではないでしょうか。完成見学会用の写真の用意、チラシやイベントページに使う写真素材集め、外壁の色替えシミュレーション、SNS用の画像や動画素材作り…。どれも集客や提案には重要ですが、実際には「時間・コスト・人手」の壁にぶつかり、後回しになりがちです。
建築会社の場合、特に多いのが、
- 専門的なツールを使いこなせる人が社内にいない
- CGパースや画像加工は外注前提になっている
- 写真はあるけれど「そのままでは使いづらい」
- 外構が未完成で、見学会用の写真が撮れない
といった悩みです。
結果として、「本当はもっと良い見せ方ができるはずなのに」「競合と比べて写真やビジュアルで負けている気がする」そんなモヤモヤを抱えながら、日々の業務に追われている建築会社も少なくありません。
こうした状況を変える選択肢のひとつが、Googleが提供するAIツール 「Gemini」 です。Geminiは、文章作成だけでなく、画像生成・画像編集・動画生成 にも対応しており、これまで「外注しないと無理」「専門知識がないとできない」と思われていた作業を、社内で完結させることが可能になります。
もちろん、Geminiで作れるのは完璧な完成予想図や設計図ではありません。しかし、集客・提案・SNS・イベント告知に使う“イメージ素材”としては十分実用的で、しかも時間もコストもほとんどかからない、という点が大きな魅力です。
次の章で、外壁塗装会社・工務店・住宅会社を想定しながら、Geminiを使って実際にどんなことができるのか、どこまで任せてよくて、どんな点に注意すべきかを、具体例とともに解説していきます。
Geminiとは?建築会社で使えるAIツールの特徴
Gemini(ジェミニ)は、Googleが提供する生成AIツールです。ChatGPTと同じく文章生成ができるAIとして知られていますが、建築会社にとって特に注目すべきなのは「画像」と「動画」の扱いに強い点です。多くの方が「AI=文章を書くもの」というイメージを持っているかもしれません。
しかしGeminiは、
- 写真を読み取って内容を理解する
- 写真をもとに別パターンの画像を生成する
- 静止画から動画を作る
といった、ビジュアル制作に直結する作業を得意としています。今の時点では、完璧とは言いませんが、ある程度はできるという段階です。
写真をアップして指示するだけで使えるGeminiの大きな特徴は、操作がとにかくシンプルなことです。専門的な画像編集ソフトのように、複雑なツール操作やデザインやCGの専門知識は基本的に必要ありません。やることは非常にシンプルで、
- 現場写真や外観写真をGeminにアップロードする
- 「こうしてほしい」と日本語で指示を出す
これだけです。たとえば、
「外壁の色をグレーに変更して」
「外構を追加したイメージを作って」
「昼の写真を夜の雰囲気にして」
といった指示でGeminiは内容を理解し、画像として出力してくれます。
【外壁塗装会社向け】Geminで外壁の色変更を指示してみた
外壁塗装会社で特に活用しやすいのが、外壁色のシミュレーションです。Geminに現場の写真をアップロードし、「外壁の色を変更して。上を9015 オールドローズ 下を8076 リーガルブラウンに変更して」と指示を出してみたのがこちらです↓

家の形はそのままで外壁の色を変更してくれました。実際の塗装の色なのかどうかは怪しいですが、参考として、雰囲気を把握する程度としてであれば、色のシミュレーションはGeminでも可能なのかなと思います。会社のシミュレーションを使わずに、お客様がすでにご自身でやっている可能性もありますね。
これまで、塗装会社の色替えの提案には
- 専用のシミュレーションソフト
- 塗料メーカーのツール
- もしくは口頭や色見本での説明
が一般的でした。もちろん、正式な色決定にはこれらが欠かせません。しかし、初期提案やイメージ共有の段階では、そこまで精度の高いツールが不要な場面も多くあります。
Geminiによる外壁の色替えシミュレーションは、契約前の細かい色決めよりも、次のような場面で力を発揮します。
- お客様がまだ色の方向性で迷っているとき
- 「今とどう変わるのか」を直感的に見せたいとき
- 打ち合わせ時間が限られているとき
言葉や色見本だけでは伝わりにくい「仕上がりの印象」を、視覚的に共有できることが最大のメリットです。
【工務店・造園会社向け】Geminで外構を追加させる
工務店・住宅会社でGeminiが最も力を発揮するのが、外観写真まわりの課題解決です。Geminiを使えば、外構工事がまだ終わっていない状態の写真でも、外構付きのイメージ画像を作ることができます。
Geminに家の写真をアップロードし、「砂利の部分に植栽を植えてください。また、駐車場もつくってください。」と指示してみたのがこちらです↓

具体的に指示しないと変な風に植栽が植えられますが、砂利の部分に駐車場と植栽を設ける画像を生成することができました。何往復かチャットをして理想的な外観にすると、見学会のバナーにしたり、イメージ写真としてお客様に共有したりすることができるでしょう。
駐車場やアプローチ、植栽などを追加した外観イメージを生成することで、「完成後の暮らしが想像しやすい写真」に近づけることが可能です。見学会用のチラシやイベントページでは、完成してから撮れた写真でなくてもGeminで加工した画像で告知ができるという点が、大きなメリットになります。
【工務店向け】Geminで昼と夜の姿の画像を作る
昼の外観写真をもとに夜の外観イメージを生成といった使い方も可能です。
Geminに外観の写真をアップロードし、「昼の画像にして」と指示を出したら、こんな感じになりました↓

夜と昼と違和感のない画像が生成できました。多くは昼の写真しか撮れないことが多いですが、夜の見学会を行う場合に、夜の写真がないというケースで夜の画像はGeminに作ってもらってもいいのかなと思いました。
【工務店向け】人を入れた画像も作れる
見学会やイベント告知では、「人の気配」があるだけで、写真の印象は大きく変わります。Geminiでは、外観写真に人を追加したり、生活感のある雰囲気を演出するといったことも可能です。
先ほどの外観の写真に「庭で家族がのんびり過ごしている自然体な感じにできる?」とGeminiに投げてみたのがこちらです↓

詳しく指示をしていないので、こんな感じになっちゃいましたが、具体的に何歳の誰がどこで何をして何人家族で…という感じに指示をすると、よりイメージに近い画像が生成できるのではないでしょうか。
設計・施工を置き換えるものではない
Geminiを使えば、完璧ではないが一時的に使えるレベルのビジュアルを、短時間で用意することが可能になります。また、ここで注意してほしいのは、画像を見ても分かる通り、Geminiは設計業務や施工の正確な再現、実寸レベルの完成予測を行うツールではない、という点です。
あくまで、
- イメージ共有
- 集客用ビジュアル
- 提案初期段階の補助
として使うことで、真価を発揮します。この「割り切り」ができると、Geminiは建築会社にとって非常にコスパの良いサポートツールになります。
注意点はあくまで「イメージ画像」として使う
広告や見学会ページ、イベント告知などで使用する場合は、「※画像はイメージです」といった一文を入れることをおすすめします。正確さよりも、「雰囲気を伝える」「興味を持ってもらう」という目的に限定して使うことで、Geminiは非常に使いやすいツールになります。
また、生成AIで作った画像を商業利用していいのかに関してですが、結論、元画像は自社のもので、それを加工したのであればOKですが、他社の画像や、無断でダウンロードしたものを加工して利用するのはNGです。
「実在の人物に酷似した顔」「特定の住宅会社やブランドを想起させるデザイン」「明らかに既存作品を連想させる表現」これらは、意図せずトラブルにつながる可能性がありますので注意しましょう。
Geminiを使うと建築会社の何が変わるのか
Geminiを建築会社の業務に取り入れることで、最も大きく変わるのは「これまでできなかったことが、社内でできるようになる」 という点です。
決して、業務のすべてが自動化されたり、AIだけで集客が完結したりするわけではありません。しかし、日々の業務の中で積み重なっていた「小さなストレス」や「諦めていた作業」は、確実に減っていきます。
Before|これまでの建築会社
多くの建築会社では、次のような判断が当たり前になっていました。
- CGパースや外観イメージはCADでつくる
- 画像加工は専門業者か、得意なスタッフ頼み
- 外構が完成していない現場は、写真素材として使いづらい
- 写真が足りなければ「今回は仕方ない」と諦める
その結果、
- コストがかかる
- 依頼や修正に時間がかかる
- 「本当はこう見せたかった」という理想を下げる
- 集客ができない
といった状況が生まれやすくなっていました。
After|Geminiを使った場合の建築会社の変化
Geminiを使うことで、建築会社は大きく変わります。
①現場写真を撮る
②Geminiにアップロードする
③イメージを言葉で伝え指示する
これだけで、集客や提案に使える「補助的なビジュアル」をすぐに用意できるようになります。たとえば、
- 外構未完成でも、見学会用の外観イメージを作れる
- 外壁色のパターンを複数用意できる
- 昼と夜、2パターンの外観を簡単に比較できる
- SNS用の素材を「写真が足りないから投稿できない」という状況を避けられる
こうした積み重ねが、集客スピードと情報発信量の差として表れてきます。
Geminを使うことで「外注しない」こと自体が目的ではない
ここで誤解しないでほしいのは、Geminiの目的は「外注をゼロにすること」ではありません。
- 高品質なCGパース
- 正確な完成予想図
- ブランドを担うメインビジュアル
これらは、これまで通りプロに任せるべき場面も多くあります。Geminiが活きるのは、
- 外注するほどではないが、無いと困る
- スピードが求められる
- 何度も作り直す可能性がある
こうした “中間領域”の作業です。Geminiを使うことで、「イメージがないから説明しづらい」「写真が揃うまで告知できない」といったブレーキが外れます。結果として、
- 見学会告知を早めに出せる
- SNSや広告の更新頻度が上がる
- お客様とのイメージ共有がスムーズになる
といった、集客全体の初動スピードが上がっていきます。
【工務店向け】動画制作もGeminでできる
Geminiの特徴のひとつが、静止画から動画を作れる点です。たとえば、
- 昼の外観写真を夜の外観に変化させる動画
- パースから実際の写真へ変化していく動画
- 手書きスケッチを描いているような動画
こうした動画は、Instagramのリールやストーリーズ、広告動画としても使いやすく、短時間で「目に留まるコンテンツ」を作れるのが強みです。
実際に昼の写真から夜に変わる動画を作ってと指示したものがこちらです↓

水の音や虫の声まで勝手に入れてくれました。1〜2分待つだけでこのレベルの動画ができたので、いろんな動画が簡単に作れそうな気がしました。
また、手書きで外観を書いているような動画もGeminに指示して作ってもらいました↓

もっと細かに指示をすればもっといい感じの動画になると思いますが、これだけでも十分なすぐに動画が作れました。
Geminiで作った画像や動画は、
- 完成度100点
- 正確性重視
というよりも、
- スピード
- 分かりやすさ
- 更新頻度
を重視する場面で力を発揮します。その結果、SNSの発信の回数が増えたり、情報発信を止めることがない、会社の活動が見えやすくなる、といった効果につながります。
【ChatGPTとGeminiの違い】画像・動画生成はどちらが強い?
生成AIというと、ChatGPTを思い浮かべる方も多いと思います。実際、文章作成やアイデア出しではChatGPTをすでに使っている建築会社も増えてきました。
では、画像や動画の生成・加工という視点では、ChatGPTとGeminiはどう違うのでしょうか。まず押さえておきたいのは、ChatGPTとGeminiは「競合」というよりも、得意分野が違うツールだという点です。
【ChatGPT】
・文章作成
・構成整理
・SEO記事や原稿制作
・考えを言語化する作業
【Gemini】
・写真をもとにした画像生成・加工
・雰囲気を変えるビジュアル制作
・静止画から動画を作る
現時点では、建築会社の実務における画像生成・動画生成はGeminiのほうが扱いやすいと感じるケースが多くあります。Geminiのほうがイメージ通りに近い結果が出やすい傾向があります。動画生成についても、現時点ではGeminiのほうが実用に近い印象です。
一方、ChatGPTは動画制作というよりも、動画の構成案や台本づくりに強みがあります。どちらか一方ではなく「役割分担」が現実的です。建築会社が生成AIを導入する際、「どちらを使うべきか」で悩む必要はありません。
実務的には、
- ChatGPT:考える・まとめる・書く
- Gemini:見せる・伝える・補う
という役割分担が、最もストレスが少なくなります。たとえば、ChatGPTでブログ構成や原稿を作り、Geminiでアイキャッチ画像や告知用ビジュアルを作る。この組み合わせは、少人数の建築会社でも実践しやすいAI活用例です。
AIは「使い分ける」ことで効果が出る
生成AIは、万能なツールとして使うよりも、それぞれの得意分野に任せることで、効果を発揮します。Geminiは、建築会社がこれまで「時間がなくてできなかった」「外注に頼るしかなかった」ビジュアル制作を補ってくれる存在です。
Geminiを使う際の注意点と無料プランの制限
Geminiは非常に便利なツールですが、建築会社が業務で使う際には、事前に知っておきたい注意点もあります。ここを理解せずに使うと、「思っていたのと違った」「使えない」と感じてしまうことがあります。
無料プランでは動画生成に制限がある
Geminiは基本無料でも利用できますが、動画生成には回数制限があります。無料プランの場合、動画生成は1日3本までです。
そのため、
- 毎日大量に動画を作りたい
- 広告用動画を何パターンも作りたい
といった使い方には向きません。

https://gemini.google/subscriptions/
精度は「一発で完璧」を期待しない
Geminiは非常に優秀ですが、一度の指示で完璧な画像が出てくるとは限りません。
- 思っていた構図と違う
- 色味が少し違う
- 不自然な部分が出る
こうしたことは普通に起こります。そのため、指示を少し変えたり、何パターンか作って一番良いものを使うなどと、ラフ制作感覚で使うのがおすすめです。
契約・仕様説明に直結する資料には使わない
これまでにも触れてきましたが、Geminiで生成した画像は、あくまでイメージ素材です。
- 契約書
- 仕様確定資料
- 正確性が求められる設計説明
こうした場面では使わず、集客・告知・イメージ共有に用途を限定することで、トラブルを防ぐことができます。
より高度な画像編集をしたい場合はFreepikもおすすめ
「もう少し細かく修正したい」
「特定の部分だけを変えたい」
そんな場合には、Freepik(フリーピック) というツールも選択肢になります。

Freepikの強みは、加工範囲を指定し、その部分だけを差し替え・修正できる点です。たとえば、
- キッチン天板を無垢からステンレスに変更
- このドアをハイドアに変更
- 特定の建材だけを入れ替える
といった作業が、直感的に行えます。Geminiが「全体の雰囲気を作るのが得意」だとすると、Freepikは「ピンポイントで整えるのが得意」なツールと言えます。
無料では使えないが表現の幅は広い
Freepikは基本的に有料ツールですが、表現の自由度や建築パーツの差し替え、細かな画像調整という点では、Geminiよりも柔軟な印象です。
- Geminiで大枠を作る
- Freepikで細部を整える
という組み合わせも、実務では現実的な使い方です。
【まとめ】Geminiを使えば社内でできることが増える
Geminiを使うことで、建築会社の中でこれまで「できなかった」「諦めていた」業務の一部が、社内で完結できるようになります。また、集客の初動スピードと発信量の底上げにも貢献します。
重要なのは、どのAIツールでもそうですが、Geminiを「万能ツール」として期待しすぎないこと。そして、完璧さよりも“伝わること”を優先するというスタンスです。外注とAI、実写とイメージ画像をうまく使い分けることで、建築会社の集客は、もっと柔軟で現実的なものになります。「外注に頼らず、まずは社内でできることを増やしたい」そんな建築会社にとって、Geminiは今すぐ使える生成AIツールのひとつと言えるでしょう。
ぜひ実際にGiminiを使って触ってどんなものができるか確かめてみてください。
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