ホームページ運用
マーケティング・ファネルで、工務店の集客戦略を考えよう
公開日:2021/08/20
最終更新日:2023/11/09
こんにちは。
工務店、リフォーム会社のホームページ集客支援のゴッタライドです。
工務店が集客・マーケティングを考える際に、細かな戦術が気になってしまいがちです。
集客の全体像を考えるには、マーケティングファネルを使った進め方がおすすめです。
本記事では、マーケティングファネルに関する説明と事例、その活用方法について解説します。
ユーザーが家を買うストーリーに合わせたフェーズごとの考え方がわかります。集客・マーケティング活動を最適化したい工務店にとってヒントになれば幸いです。
マーケティングファネルとは
ファネルとは、日本語で言うと「漏斗」のことです。
口の細い瓶などに、液体を注ぐ時に使うジョウゴのことです。
ユーザーが購買をする流れに見立てて、上から順番にユーザーの状態を分類して行き、最終的に購買に至る活動をモデル化します。
マーケティング・ファネルを作る目的
ユーザーが購買に至るには、まだ意識をしていない潜在層から、ニーズが顕在化して求める商品やサービスを探し、購買意欲が高まっていきます。
自社のことを知らないユーザーに知ってもらうための施策もあれば、既に接点のあるユーザーが他社と比較検討する際に選んでもらうための施策もあります。
ユーザーの状態に合わせた施策をしなければ非効率です。
マーケティング・ファネルは、ユーザーの状態を整理することでフェーズごとに最適な施策を行い、集客を効率化するのが目的です。
ユーザーの行動、フェーズの整理
ユーザーが購買に至るまでの行動を整理して、その流れをまとめます。
AIDMAやAISASのようなモデルは聞いたことがあるかもしれません。
SNSが普及し、従来のようなマス・マーケティングが機能しづらくなっているので、自社の商材や顧客にあったフェーズを整理するのがおすすめです。
課題に合った施策の実施
フェーズごとに、マーケティングにおける課題を整理します。
ユーザーが求めることに対して施策を行うので、ムダを減らすことができます。
他の会社がうまく行っているから…という理由ではなく、この課題に対する施策が実施できていないから優先的に進める…といったように、最適化をめざしましょう。
工務店のファネル事例
「ファネル 事例」で検索すると、いくつかの事例が見つかります。
しかし、工務店の事例はなかなか見つかりません。
高額で購入する機会の少ない住宅の場合、他の業界の事例はしっくりこないかもしれません。
当社が考えたファネルを事例としてご紹介します。
工務店のマーケティング・ファネルを活用する
事例として挙げたファネルに基づいて、どのように活用すれば良いのか、見方を考えていきましょう。
ファネルの一番上には『ペルソナ』がいます。
「◯◯市で注文住宅を検討している人」と表記していますが、工務店によってはもっと詳しく書いても良いかもしれません。
その人たちが上から順番に絞り込まれていくイメージです。
図の左側には、ユーザーの行動を6つのフェーズに分けました。
ユーザーの行動
注文住宅を建てたいと検討している人を「認知」、「情報収集」、「行動」、「比較検討」、「購入」、「拡散」という6つに分けました。
それぞれのフェーズにおける行動を、赤文字で記しているので、詳しく解説していきます。
認知
漠然と家づくりについて考えている状態です。
まだ家づくりを考えていない潜在層も対象になるでしょう。
車を運転しているときに目にした看板、ネットサーフィンしているときに見かけた広告などが接点となり、まず工務店の存在を知るところから始まります。
情報収集
家を建てたいと具体的に考えるようになると、自ら情報収集を始めます。
ネット検索をしたり、住宅情報誌を買ってみたりします。
ここで選択肢になる工務店の情報を拾い集めるでしょう。
そして、魅力を感じた工務店については詳しくホームページを見たり、資料請求をしたりして、その会社がどんな家を建てているのかを調べます。
行動
「情報収集」フェーズでは人に会わずに家づくりを検討していましたが、より具体的に家づくりを考えるようになると「行動」を起こします。
実際に建てた建物を見てみたい、担当者と会ってみたいと感じた会社に絞り込まれますが、10社以上の工務店を見て回るユーザーもいるでしょう。
比較検討
ユーザーが「行動」した結果、工務店の担当者と打ち合わせを行います。
いわゆる初回面談です。
初回面談の結果、印象がいまいちだった会社は選択肢から外され、もっと話が聞きたい…、具体的に家づくりを進めたい…と感じた工務店に絞られます。
打ち合わせが進み、プラン作成までいくのは3~5社ぐらいに絞られるでしょう 。
購入
最終的に選ばれるのは1社です。
プランや価格、担当者の人柄、アフターサービスなどを「比較検討」して1社に絞り込みます。
契約を決める前には「会社名+評判」などでキーワード検索をしたり、クチコミ検索をしたりして、本当にこの会社にまかせて良いか確認をするでしょう。
拡散
家を建てたユーザーは、友人知人にしゃべったり、住まいの写真をSNSに投稿したりします。
工務店の対応しだいで、良いクチコミも悪いクチコミも拡散される時代ですので、施工中やその後のやりとりも重要です。
フェーズを進めるための課題
ユーザーの行動を整理すると、フェーズを段階的に進んでいくことがイメージいただけたと思います。
次に考えたいのは、次のフェーズへ進むには何をすればいいかということです。ファネルは下に行くほど、細く絞り込まれていきます。
フェーズを進めるために何が必要かを整理することで、取りこぼしを少なくして効率化が図れます。
フェーズを進めるための施策
どうすれば次のフェーズに進められるかの課題が分かれば、具体的に何をすればいいかという施策も見えてきます。
それでは、それぞれの課題に合わせた施策を紹介していきます。
会社を知ってもらう
最初の課題は、会社を知ってもらうことです。
まだ自社の存在を知らないユーザーに向けて、広告をつかって会社の認知度・知名度を高めます。
最近注目を浴びているブランディングもここに含まれます。
オフラインの施策が多かったですが、オンライン広告を活用する工務店も増えつつあります。
見つけてもらい、興味を惹き、繋がりを持つ
家づくりに興味を持ったユーザーに自社のことを見つけてもらうことが必要です。
SEO( 検索エンジン対策)やリスティング広告(検索結果連動型広告)など、検索しているユーザーに見つけてもらえるように露出する施策を行います。
見つけてもらえたら自社に興味を持ってもらい、 SNS をフォローしてもらったり、資料請求を促したりします。
これによって、こちらからの情報が継続的に相手に届くようになります。
こうやってつながりを持つことで、自社からの情報発信がユーザーの目に触れるような状態を作りましょう。
行動を促す提案
次の課題は、現場見学会や相談会、モデルハウスへの来場など、実際にユーザーに足を運んでいただくことになります。
ここでは各種イベントの案内を発信するとともに、わざわざ足を運ぶのに意味がある動機づけやユーザーのメリットを伝える必要があるでしょう。
メールや郵送DM、 SNS を使ってイベントを告知し、来場を促します。
選択肢に残る
いくつかの会社を見たユーザーは、自分に合った家づくりをしてくれる会社かどうかを見極めます。
特に初回面談は重要で、その印象しだいで選択肢に残るかどうかが決まります。
ユーザーが家づくりの打ち合わせを進める3~5社に残れるようなフォローをしましょう。
選ばれ、1社に残る
家づくりを頼む工務店は、最終的に1社に絞られます。
特に注文住宅の場合、提案力、技術力、ユーザーとの相性などが問われます。
契約前になると「本当にこの工務店と契約して大丈夫か」という不安も出てきます。
直接は聞きにくい質問だけに、ネット検索を行いクチコミサイトなどで確認されることも多いでしょう。
選んでもらい、安心して契約いただけるような取り組みを行いましょう。
人に勧めたくなるほどの満足
クチコミや紹介は、最も受注しやすい集客経路の1つです。
当たり前ですが、顧客満足は必須です。そのために全社で取り組みましょう。
その上でクチコミや紹介してもらえるような働きかけを行い、拡散を促します。
また、満足いただいたお客様の経験をコンテンツ化しましょう。
お客様に写真を撮らせていただいたり、インタビューにご協力いただいたりして、次の集客に活かせるコンテンツづくりも進めます。
ファネルの分析と活用
マーケティング・ファネルによって工務店が集客するために必要なユーザーのフェーズと、その際に最適な施策を整理することができました。
次は、その施策が最適か、改善の余地があるかどうかについて分析する方法について紹介します。
フェイズごとに KPI を設定し数値化する
それぞれのフェーズにおいて、どれだけの見込み客が存在しているのかを数字で考えましょう。
具体的には、各フェーズの KPI を決めることです。
各フェーズの見込み客数がどれぐらい推移しているのかを数値化することで、ファネルの形がどれぐらい広がっているのか尖っているのかが分かります。
ボトルネックを見つけることで、どの課題から優先的に改善すべきかが分かります。
数値化する際には今の数字だけを見るのではなく、どのように変化をしているのかという推移も見ましょう。
さまざまな施策によって、各数値がどのように変化するのかという点も見ていくことで、自社のマーケティング・ノウハウが蓄積していきます。
まとめ
工務店が集客を考える場合、何をすればいいのかという施策にこだわってしまいがちです。
他社の成功事例を聞いてそのまま真似した結果、期待してたのと違う…なんて話はよくあります。
真似をするのは決して悪いことではないのですが、うまく行かなかったときに改善策を考える進め方をしていないことに問題があります。
まずは、集客の設計図であるマーケティング・ファネルを作り、戦略を整理してみてはいかがでしょうか?
そうすることで限られた販促費のムダを減らすことができますし、限られた時間の中で成果を出すために、何から優先的にやるべきなのかが分かるので効率化できます。
自社にあったマーケティング・ファネルをつくり、それに基づいた集客活動に活かしていただければ幸いです。