ホームページ運用
ホームページの制作費用は、損金算入か、固定資産計上か?
公開日:2020/09/24
最終更新日:2024/10/15
こんにちは。
工務店、リフォーム会社のホームページ集客支援のゴッタライドです。
「ホームページの制作費用って、損金扱いになるの?」
時々、こんな質問をいただきます。
最終的には、お付き合いのある税理士さんなどにご相談いただきたいのですが、一般論としてホームページの制作費用が、どの勘定科目になるのかについてご説明します。
損金と固定資産で、何が違うの?
経営者や経理担当者にとっては、あたり前のことかと思いますが、念のため用語についての確認です。
「損金」とは税務会計における用語であり、財務会計では「費用」と言い換えることができます。
税金(法人税)は、税務会計上の所得に乗じて計算されます。
経費として支出したお金は、すべて損金になるわけではないので、損金になるかどうかで税金が変わってきます。
ホームページの制作費用を考えた場合、広告宣伝費であれば損金算入できそうだが、ソフトウェアだと固定資産に仕分けされると、その一部しか損金計上できません。
その仕訳によって、税金が変わってくるので、どうなんだろう…というのが背景にあると思います。
勘定科目の区分について
ホームページ制作に関する費用は、一式いくらで処理されがちですが、その内訳を細かく分類してみると、それぞれで仕訳科目が分かれるようです。
広告宣伝費と固定資産で、事例を紹介します。
「広告宣伝費」に含まれるもの
広告宣伝費とは、事業や商品の広告を作る費用・宣伝にかかる費用のことを指します。
基本的に、損金算入することができ、期末に一括償却することができます。下記のようなものは、広告宣伝費として認められるようです。
●コンテンツ制作費
●SEO対策などの人的作業部分
●お問い合わせフォームなどの簡易CGI
●10万円未満のホームページ制作
●使用可能期間が1年以内のホームページ制作
「無形固定資産」に含まれるもの
無形固定資産とは、長期にわたり会社の収益力の要因となる無形の資産のことを言います。
法律用の独占権利、施設権利、営業権利(のれん)などがこれに該当し、ソフトウェアの購入・制作も無形固定資産となります。
ホームページの制作費用のうち、ログイン機能やオンラインショッピング機能などの複雑なプログラムを有する場合、無形固定資産として資産計上され、金額によって定められた年数に従い、減価償却をします。
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ソフトウェアの扱い
仮にソフトウェアとして仕分けした場合、以下のようなルールで処理することになっています。
使用可能期間1年以内、 または10万円未満 |
全額費用 |
20万円未満 |
一括償却資産 3年均等償却 |
30万円未満 |
※中小企業等(大企業の子会社ではない資本金1億円以下の会社)の場合 全額費用 |
30万円以上 | 無形固定資産 |
まとめ
「ホームページ制作にかかる費用は、損金計上できるのか?」という疑問に対し、ホームページ制作にかかる内容しだいだと言えます。
広告宣伝費とソフトウェア部分が区別できる場合は、広告宣伝費は費用処理、ソフトウェア部分は資産計上+償却処理を行います。
一方、「ホームページ制作費用一式」とされている場合には全額ソフトウェアとして計上しなくてはいけません。
具体的には、お取引のある顧問税理士さんや発注先の制作会社にご相談いただいた方が確実かと思いますが、参考になれば幸いです。